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お知らせ

2023.05.01
無病息災の縁起物「宇治新茶・八十八夜茶摘み」

風薫る5月がやってきました。
暖かい日も増え、新緑の美しい季節になりました。

皆様は「夏も近く八十八夜〜」という歌い出しでお馴染みの歌をご存知でしょうか。
これは実は茶摘みの歌で、歌にある「八十八夜(はちじゅうはちや)」とは
立春(2月4日頃)から数えて88日目の日のことを差します。
この88日目にあたる日に京都宇治では新茶摘みの行事が行われ、毎年大変賑わいを見せております。
本日はこの京都宇治の新茶摘みについて少しご紹介したいと思います。

夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘みじゃないか
あかねだすきに菅(すげ)の笠

茶摘みの歌は日本の歌百選にも選ばれた唱歌だそうで、いつ頃から歌われているかは不明だそうです。
歌にある八十八夜とは、立春から88日目にあたる雑節で、
霜が降りるのはこのころまでとされ、稲や畑作物の種まきをはじめるなど、農作業の目安として大切な日でした。
葉の新芽が出るのも同じ時期のため、この日に毎年、宇治では「新茶八十八夜茶摘みの集い」が開催されています。
例年、コロナウィルスの蔓延につき、開催が不安定ではありましたが
今年は5月2日に開催予定となっております。

宇治茶の歴史を紐解くと
今から800年前の鎌倉時代初期、栄西禅師が宗に渡りお茶の喫茶習慣を学びました。
その後栄西よりお茶の種を譲り受けた明恵上人が、お茶の育成に適した土地柄であった宇治に、お茶の栽培方法を伝えたのでした。
宇治で発展した抹茶は各地に広まっていき、室町時代には足利三代将軍義満により、
優良な6つの茶園が定められました。
16世紀ごろには霜から茶樹を守るため、茶園に棚を作り葦簀(よしず)を敷いて藁をふく
「覆下園(おおいしたえん)」での栽培が始まりました。
かの豊臣秀吉は「覆下園」で栽培された、渋みが抑えられ甘み豊かな宇治の茶を大変好んで愛したと言われています。
それから100年後の明治初期、この「覆下園」で栽培された抹茶に使用する貴重な茶葉を使用し、
当時飲まれていた煎茶の製法を用い、新しいお茶が作り出されました。
後に「玉露」と名付けられたこのお茶は、独特の甘くまろやかな味と香りで現在でも高級なお茶として人気があります。

今月の2日に開かれる、「宇治新茶・八十八夜茶摘みの集い」は地元の方からも
観光客の方からも大人気のイベントで、「今年も行かなくちゃ!」と毎年楽しみにされている方も少なくありません。
立春から88日目に摘んだ茶は上等で、飲むと長生きすると言われていることもあり、
毎年大変人気のため、今年は抽選で当選された方のみ参加できる定員制での開催となっているそうです。
残念ながら今年の茶摘みイベントに参加するのは難しいかもしれませんが、
宇治のお茶を楽しむことはできますので、お近くに行かれる際はぜひお茶を堪能してみてはいかがでしょうか。

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