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お知らせ

2025.08.01
火迺要慎。火伏の神として親しまれてきた神秘の杜「愛宕神社」

8月に入り、京都は本格的な夏の盛りを迎えています。
今年の夏は京都府市内でも記録的な猛暑となる予想だそうで、全国的にうだるような暑さが続いています。
そんな暑い毎日ですが、本日は京都市内から少し足を伸ばし、清らかな空気と神秘的な雰囲気に包まれた
愛宕神社をご紹介したいと思います。

愛宕神社は京都の霊山の一つである愛宕山の山頂に建つ、豊かな自然に囲まれた神社です。
その歴史はとても古く、大宝年間(701~704年)に修験僧の祖である役行者と
修験僧・泰澄が愛宕山に登り、山頂に社を建立したことに始まると言われています。
現在は日本国内に約900の「愛宕神社」がありますが、ここ京都の愛宕神社が総本社です。
国内では京都をはじめ、東京虎ノ門と福岡の愛宕神社を合わせて「日本三大愛宕」と呼ばれています。

愛宕神社にはさまざまな神様が祀られていますが、
特に古来から火の神と関わりが深いため、「火伏せ(防火、火除け)」の神様として長年親しまれてきました。
愛宕神社には、火の神とされている加具土命(かぐつちのみこと)が祀られています。
神社で授かることができる「火迺要慎(ひのようじん)」のお札は、
歳末など、火の元への注意喚起のために掲げる標語などでよく見聞きするものですね。
お札のご利益は文字の通りで、火事などの火の災難から守っていただけます。
京都の家庭や飲食業店のキッチンには貼ってあるところが多く、昔からよく目にするお札です。

また、霊山である愛宕神社の強力なパワーは、かつての戦国大名たちも厚い信仰を寄せていました。
中でも最も有名なのが、「本能寺の変」で織田信長を倒した明智光秀。光秀公が戦いに赴く3日前に参拝し、おみくじを何度か引いたという逸話が残されています。
悪行や煩悩を切るとされる勝軍地蔵菩薩(しょうぐんじぞうぼさつ)が御祭神として祀られていることから、
敷地内には甲冑を着て馬にまたがる仏像が残されており、その勇ましい姿から「戦勝」「勝運」を司る神として祀られている御祭神です。
ほかにも、伊達政宗や直江兼続などの名だたる戦国武将らも愛宕信仰が厚かったと言われています。
全国に愛宕神社の社があるのは、戦乱の世が続き戦火から逃れたい人々の信仰を集めたからかもしれませんね。

そんな愛宕神社ですが、冒頭でも触れた通り本殿は愛宕山の山頂にあり、参拝するには標高924メートルの山を登って参拝しなくてはなりません。時間にすると片道約2時間、参拝時間を含め約5時間程度は必要です。
愛宕山には3つのルート(表参道、月輪寺参道、大杉谷道)があります。どのルートも「二の鳥居」がある清滝がスタート地点。
ひたすら階段を登る、まさに修行のような険しい道が続きます。行き交う参拝者が『お上がりやす~』『お下りやす〜』と独特の掛け声を交わすのも千日詣ならでは。その言葉に励まされながら山頂を目指します。
愛宕神社だけの参拝なら表参道を、その他の見どころを合わせて訪れたいなら月輪寺参道を行くのがおすすめだそうです。
大杉谷道は特に細く険しい山道で滑落の危険も大きいため、慣れていない方は避けたほうが良いそうです。
道中はトイレもなく、水汲み場も1カ所のみなので参拝される方はトイレは事前に済ませ、飲み物も忘れないようにしましょう。

そんな愛宕神社ですが、毎年7月31日の夜から8月1日の早朝の間に神社にお詣りをすれば、
千日分の火伏・防火のご利益が授かれると言われている、千日詣がまさに本日行われました。
千日といえば約3年。3年もの間火の災から神様に守っていただけると、この期間はたくさんの参拝客が訪れます。
また3歳までにこの千日詣に参拝するとそのお子さんは生涯火の災いから守ってもらえるという言い伝えがあり、
小さなお子さんを連れたご家族連れの参拝姿もよく見受けられるとのことです。

今年の千日詣は終わってしまいましたが、
いつ参拝しても火伏せや勝運のご利益は賜ることができますので、
ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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