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お知らせ

2022.12.01
江戸時代から続く京の師走の風物詩

寒さも少しづつ厳しくなり、冬の訪れを感じる季節となりました。
2022年もあっという間に最後の月になりましたね。

今まで京都のお寺や神社、習わしについて触れて参りましたが
今月は、伝統を重んじる京都の迎春準備について少し書いてみたいと思います。

江戸時代から京都では12月13日を1年の区切りとして『事始め』と言われる
本格的なお正月の準備が始まります。

事始めで行われていた(いる)代表的な3つの用語を説明しますと、

1つ目は「煤払い(すすはらい)」です。
昔の家では行灯や囲炉裏を使っていたので、家の中は煤だらけだったそうです。
今で言うところの大掃除といったところでしょうか。
お寺で煤払いが行われるのも、事始めの日。
煤払いでは本当に煤を払うだけではなく、1年の汚れを落として歳神様を迎えるための神儀の意味もあるそうです。

2つ目は「松迎え」です。
「松迎え」は、歳神様を迎えるための門松やおせち料理を作るときに使う薪を取りに行く日のことです。
現在でも門松を飾ったり、おせちを作ったりしますが、門松の松を採取しに行ったりかまどを使って料理することは、
ほぼなくなってしまいましたので、松迎えという言葉が消えていったのかもしれません。

3つ目は「年男」です。
年男と聞くと、生まれた年と同じ十二支の年を迎えた男性を連想するのではないでしょうか。
ですが、正月事始めの「年男」は先頭を切って正月準備を行い、みんなを仕切る家長のことでした。
ただ、時代が進むにつれて、正月事始めでの「年男」は大変な役割のため、家長ではなく長男だったり、奉公人だったりと、
若い男性が「年男」の役割を担い、正月の準備をするようになりました。
現在では、各家庭の「お母さん」が、この「年男」に当たります。

事始めというのは、京都の旧家や花街の関係者の挨拶回り、という大切な行事でもあるため
祇園の南座では12月4日に初日を迎える、京の年中行事「當る卯歳 吉例顔見世興行」恒例の
「まねき上げ」が11月25日から行われる予定で、年の瀬の装いを終えた南座がいっそう華やかになります。
劇場正面に飾られる「まねき看板」は江戸時代、劇場前を文字や絵を使って飾った宣伝に由来する看板で、
上部に庵形が付き、歌舞伎独特の勘亭流で書いた役者の名前と紋が記されます。

このまねき看板とともに、師走気分をさらに盛り上げるのが「顔見世総見」です。
各花街の芸妓さん、舞妓さん、お茶屋関係者が芸事の勉強を兼ねて舞台を鑑賞するもので、
座敷席に色とりどりの衣裳をまとった芸妓さん、舞妓さんがずらりと並ぶ姿は、まさに壮観です。
この日の舞妓さんの花かんざしには小さなまねきがついていて、そこに好きな役者にサインをしてもらう習わしもあるそうです。

そして、正月事始めで有名なのは舞妓さんです。
芸妓さん、舞妓さんが一重ねの鏡餅を持って、師匠やお茶屋などを回って1年の感謝を伝えるとともに、
「今年もよろしゅうおたの申しします」と芸事の精進を誓います。
家元宅の稽古場には「玉椿」の掛軸や芸妓舞妓から贈られた鏡餅が飾られ、舞妓さんは師匠から舞扇が渡されます。
ひと足早くめでたい雰囲気に包まれるそうです。

最近は、12月13日を待たずに早くから計画的に大掃除を進めている方もいらっしゃるかもしれません。
まだ、という方は「正月事始め」をきっかけにお正月を迎えるための大掃除を始めてみるのはいかがでしょうか。

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