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お知らせ

2024.02.01
疫病退散!盧山寺の「追儺式鬼法楽」

2月に入り、暦の上では春になりますが、まだまだ寒い日が続いています。
今月は春の入り口となる、立春の前日に行われる節分が2月3日(土)に行われます。
京都でも各寺院で節分祭が行われるなど、より一層賑わいを見せることでしょう。

節分の行事といえば豆まきが多くの地域で行われていると思いますが、
これは宮中で節分に行われていた「追儺」という鬼払いの行事が広まったものとされています。
そんな節分にちなみまして、今月は京都最古とも言われている
節分会で賑わう「盧山寺」と「追儺式鬼法楽」についてご紹介したいと思います。

蘆山寺(ろざんじ)は、京都御所の東、寺町通りに面し、桔梗が美しい紫式部ゆかりの寺院として有名です。
近くには萩で有名な梨木神社など寺社が並ぶ静かな場所です。
その歴史はとても古く、創建は天慶年中(938~947年)平安時代の中頃で、
比叡山天台宗の座主(天台宗最高の位)であった 元三大師良源が開祖と言い伝えられています。

はじめは現在地より北西にある船岡山の南に建てられていました。
その後、鎌倉時代に中国の盧山にならい、盧山天台講寺となりました。
室町時代、応仁の乱で焼失した後、豊臣秀吉の京都大整備の一環で今の場所に移されました。
また、京都御所のほど近くということもあり、皇室のとのゆかりも深く、
江戸時代に起きた天明の大火で失ったお堂の復興は皇室が援助したというお話も残っています。

また、盧山寺はかの有名な紫式部の屋敷跡であることも有名です。
紫式部の父親がこの地に邸宅を建て、紫式部はこの屋敷で育ち、後に娘の賢子を産み、59歳頃に亡くなるまで住んでいたと伝わっています。
「源氏物語」のほか、「式部日記」などほとんどの執筆をここで行っていたそうです。
後の昭和40年ごろ、現在の蘆山寺のある場所が、紫式部が過ごした屋敷跡であると考証され、
境内の源氏の庭に紫式部邸跡と刻まれた顕彰碑が建てられました。
源氏の庭には紫式部にちなみ、桔梗の花がたくさん植えられ、6月から9月頃までは美しく清楚に咲き誇る素敵な庭を楽しめます。

そんな蘆山寺で最も賑わうお祭りがこの時期に行われる節分会「追儺式鬼法楽」です。
蘆山寺の節分会は京都最古とも言われ、鬼法楽、通称鬼踊りとも呼ばれています。
元三大師が鬼を退治したという故事を元にした行事で、3つの煩悩を表す赤鬼、青鬼、黒鬼が登場し、
踊りながら堂内で執り行われている護摩供の修法の邪魔をします。
しかし、護摩修法の力や追儺師(鬼を払う役)、福娘が捲く豆などにより退治され逃げていくという大変面白い行事です。
当日は秘佛である、元三大師が鬼を退治したと伝わる「独鈷・三鈷」や大師が宮中で使用したと伝わる「降魔面」も特別開帳されます。

普段はとても静かな蘆山寺も節分の日はとても賑わう様子ですので、
是非この機会に厄除、魔除でご参拝されてみてはいかがでしょうか。

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