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お知らせ

2023.03.01
小野小町ゆかりの寺院と梅の園

3月になり、今日から暖かい日が続くそうで、ついに春がやってきたのかな?と嬉しい気持ちになります。
暖かい日が続くかと思うと寒い日に戻ったり、まさに三寒四温の気候ですが
徐々に春の足音がやってきているように思います。
各地では梅の見頃の真っ最中で、桜の開花宣言ももうすぐではないでしょうか。
今月も京都では各地で季節に応じた様々な行事が執り行われておりますが、
その中でも3月らしい行事、随心院の「はねず踊りと観梅」をご紹介したいと思います。

真言宗善通寺派の大本山である随心院は、平安時代の正暦二年(991年)
弘法大師空海の八代目の弟子、仁海(にんがい)僧正によって建立されました。
仁海僧正は真言宗小野流の祖として広く知られており、請雨経法(雨乞い)を得意としていたことから「雨僧正」とも称されておりました。
宮中の御帰依と天皇の命を受け、京都府中京区にある神泉苑で行った9度にわたる雨乞いをすべて成功させたことでも有名です。

建立以降、徐々に整備も進み、堂舎や七堂伽藍は美しさを誇っていましたが、
1221年、後鳥羽上皇の時代に起こった「承久の乱」と1467年に勃発した「応仁の乱」の2つの兵乱により、
建物は火災に遭い、ことごとく灰となってしまいます。
その後次第に復興の声が高まり、1599年九条家、二条宮家によって再興され、今日に至ります。
再興当時のままの姿を残す本堂には、本尊如意輪観世音菩薩坐像のほか、
重要文化財に指定されている阿弥陀如来坐像、快慶作の金剛薩捶坐像など数多くの仏像が安置されており、
書院は徳川秀忠夫人、天真院尼の寄進によって建てられたものだそうです。

また、随心院のある小野御霊町はその名の通り、昔から士族である「小野氏(おのうじ)」の繁栄とその御霊を祀る場所でもありました。
平安時代を代表する歌人「小野小町」が宮仕えを引退した後の余生を送った場所としても知られています。
境内の本堂裏には、その昔、小野小町のもとに届いた手紙が千通埋められていると伝えられている小町文塚があり、
参拝することで文章上達や恋愛成就などの願いが叶うといわれています。

そんな随心院の境内には小野梅園という梅林があり毎年3月に公開されます。
こちらの梅の開花は遅めで、例年3月中旬から下旬が見頃になるそうです。
※今年の梅園は3月11日より開園予定とのことです。
梅の花が咲き誇る頃、3月の最終週の日曜日には「はねず踊り」が開催され、毎年人気を呼んでいます。
はねずとは薄紅色という意味で、
小野小町と彼女を慕った深草少将が99日随心院に通い詰めたという物語を、二人に扮し、
可愛らしく華やかな「はねず色」の衣装を身にまとった童女姿の子どもたちが舞を披露してくれる行事です。
梅の香りに包まれる境内で、小野小町と深草の少将の恋物語に思いを馳せつつ、踊りを鑑賞してみてはいかがでしょうか。

新型コロナウィルスも5月からついに5類へ引き下げられ、新たに「コロナ2019」となりました。
各地で感染者もまだまだ増えていますが、薬の普及などで少しづつ行動緩和してきている状況かと思います。
なかなか気を許せない状況ではありますが、ウィルス対策もきっちりと、
是非、随心院へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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